「動物は先生である」。そんなことを考えさせてくれる一冊。動物から教育について多くのことを学ばせてもらっています。
教育とは
カバのオス同士の闘争は、どちらがより大きく口を開けられるかにかかっているそうです。
そのような将来に備えるべく、子カバは父カバを相手に口を開けるトレーニングを行います。
父カバは、子カバが“ぎりぎり”勝てる程度に口を開けてやり、子カバにわざと噛まれる。「良い練習相手」になってやるそうです。
子カバは「やってやったさ」とばかりに母カバに駆け寄り、父カバは母カバに「僕も頑張ったろう」と遠く目配せをする。現代から見れば、「旧時代の名残」だと見受けられるのかもしれません。それでも、ひとつの実践的な教育をそこに見ます。
高齢社会を獲得した人間
以前、小菅先生に「なぜ人間だけが高齢社会を築いたのか?」という質問をさせて頂きました。
ご返答は次の通りでした。
「長寿的な遺伝子をどこかの段階で獲得したことで、高齢の個体が育児に参加し母の負担を軽減させ、新生児の死亡率を引き下げた。その延長線上に人類の繁栄、あるいは高齢社会の成り立ちがある」
高齢社会の特筆すべき点は、「母」の負担を軽減できたことだったのではないのでしょうか。翻って高齢化社会が進行しながらも「母」の負担がより大きくなっているのは、核社会の広がりだけが原因だとは考えられません。
自戒も込めて感じていることですが、何十年と議論されている、「母親のケア」について、一人一人が具体策を持つ時代になったと思われます。私も常に自問する毎日です。
私はこれで「しまった!」が減りました
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