エルマーとりゅうの物語がついに完結。
故郷「そらいろこうげん」を目指すりゅうは、多くの困難に直面。エルマーに助けを求めるべく、かれき町に向かいます。
友情と家族の絆を描いた、心温まるラストに注目です。
あらすじ『エルマーと16ぴきのりゅう』
りゅうはエルマーと別れ、自分の故郷「そらいろこうげん」を目指します。
長い道のりを経て、ようやく故郷にたどり着いたりゅうでしたが、そこでは人間たちがりゅうの家族を捕まえようと迫っていました。
りゅうはエルマーに助けを求めるべく、「かれき町」へと向かいます。
再会を果たしたエルマーとりゅうが挑むのは、家族を守るための決死の行動。
友情と勇気が試される物語は、クライマックスへと突き進みます。
登場人物
エルマー
物語の主人公。9歳の少年で、知恵と勇気を持ち合わせている。かれき町出身。
りゅう(ボリス)
エルマーが救出したりゅうの子ども。黄色と空色の縞模様の美しいりゅう。ツノは真っ赤で、特別きれいな金色のハネを持つ。「そらいろこうげん」が故郷。
ワゴンさんとワゴンおくさん
農業と畜産を営む夫婦。道中、隠れる場所を探していたりゅうを見かけていた。
「でっかい青いかいぶつが、はしっていったんだ。あさめしがすんだら、しょうたいをみつけてやるぞ!」
『エルマーと16ぴきのりゅう』P9
うし
ワゴンさんが飼っている数頭のうし。ワゴンさんからりゅうをかくまう。
「だんながうしごやにはいったら、すぐににげだすんですよ。だんなのことだから、ばんごはんがすむと、かいつうでんとうをもって、おまえをさがしにくるかもしれなよ。」
『エルマーと16ぴきのりゅう』P18
ねこ
としとったのらねこ。りゅうがかれき町に来たことをエルマーに伝える。
名言で読む『エルマーと16ぴきのりゅう』
エルマーをかれき町に送り届けたりゅう。波止場を発って、故郷である「そらいろこうげん」を目指します。
「さあ、ぼくは、たかい山にかこまれた『そらいろこうげん』――ぼくのうちへかえるんだ!」
りゅうは、よぞらにむかって、うれしそうにさけびました。
「六ぴきのねえさんやいもうとたち、七ひきのにんさんたち、それから、やさしくて、とっても大きなかあさんと、とうさんに、とうとうあえるんだ。」
『エルマーと16ぴきのりゅう』P1
「そらいろこうげん」を囲む「ごびごびさばく」へと向かう道中、りゅうは疲れを癒やそうと農家や牛小屋の周辺で隠れ場所を探します。
しかし、橋の下に隠れるつもりが橋は見当たらず、やむを得ず農家と牛小屋の間を駆け抜けながら必死に隠れる場所を探し続けます。
「あのおひゃくしょうのいえのだれかに、みつからなかったかな?」
『エルマーと16ぴきのりゅう』P6
嫌な予感は的中しました。通り過ぎた農家に住む「ワゴンさん」がりゅうの姿を目撃していたのです。
ワゴンさんはりゅうを「あおにゅうどう」と呼び、捕まえようと探し回ります。
しかし、彼が飼っている牛の“ちょっとした”助けもあって、りゅうは見つからずに無事その場を離れることができました。
この『まひがしみさき』の上で、むきをかえて、まっすぐ西にむかい、『わかめ町』の上をとび。『とんがり山みゃく』をとびこえ、『ごびごびさばく』をよこぎれば、さばくのまんなかにそびえたつ、『そらいろこうげん』の山につくのです。
『エルマーと16ぴきのりゅう』P21
『ごびごびさばく』に差しかかると、りゅうは砂漠の空が澄み渡っていることに気づきます。
砂嵐もなく穏やかな天候に、人間たちが砂漠を越えて『そらいろこうげん』にやって来るのではないかと不安を覚えるりゅう。
その心配はまたもや的中しました。
岩山の斜面には、四、五人の人間が焚火を囲んでいる姿が見えたのです。
「あいつらが、なにをしようとしているのか。さぐってやろう。そうすれば、ぼくのかぞくをたすけるほうほうがわかるから。」
『エルマーと16ぴきのりゅう』P24
りゅうはその大きな体を隠しながら、人間たちの話し声が聞こえる場所まで近づきます。
すると、人間たちが自分を捕らえるつもりでいることを知り、驚愕します。
「しょうこどころか! おれたちゃあ、ゆめでなきゃみられないような、きれいなりゅうを十五ひき、ほらあなの中においこんだのさ。おまけに、そのほらあなには、いりぐちが一つしかないらしい。いま、ほかのれんちゅうが、そのいりぐちをみはっているわい。」
『エルマーと16ぴきのりゅう』P27
りゅうは家族全員が捕らえられていることに気づき、驚愕します。
その間にも、人間たちはリュックに荷物を詰めたり焚火の準備をしていました。
その隙をついて、りゅうは音を立てないよう慎重に山を這い上がっていきます。
「にんげんたちが、ほらあなのもう一つのいりぐちにきづいていないのはさいわいだ。でも、ぼくのからだで、いまでもそこからしのびこめるかな?」
『エルマーと16ぴきのりゅう』P30
りゅうは無我夢中で山を駆け抜け、洞穴を目指します。
なんとか洞穴に到着し、這うようにして進んでいくと、ついにはつっかえてしまいます。
涙ながらに小さな声で家族に呼びかけると、なんと家族にその声が届きました。
りゅうは、家族に自分の友達がこの状況から救ってくれるかもしれないと話します。さらには、入り口付近に人間たちが網で待ち構えていることを告げ、暗くなってからあたりの様子を見てくることを告げ、その場を後にします。
洞穴を出ると、16人の男たちの声が聞こえてきます。彼らは洞穴の様子を調べようとしているようです。
「よるまでまってなんかいられないぞ。すぐにとびだして、エルマーをつれてこなくちゃだめだ。まにあいすれば、エルマーがきっとうまくやってくれる。」
『エルマーと16ぴきのりゅう』P41
りゅうはエルマーに助けを求めるべく、遠くかれき町へと出発します。
エルマーの活躍はぜひ本書をご覧ください!
感想
子どもだけでなく、大人も楽しめるのがこの作品の魅力。
シンプルでありながらも深いテーマが込められており、親子で一緒に読みながら絆を深める時間を作るのにもぴったりな一冊です。
最後に、物語を締めくくる温かな結末は、冒険の余韻を残しながらも読後感を心地よいものにしてくれます。
エルマーとりゅうのぼうけんを見守ってきた読者にとって、満足感とともに忘れられない思い出を与えてくれる作品です。
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