『OLDNEWS Vol.01』|谷川俊太郎の詩と、6人の「生きる」話

『OLDNEWS Vol.01』は、谷川俊太郎さんの巻頭詩と、6人の仕事や暮らしの話を収めた雑誌です。

特集テーマは、「永遠に生きよう」。

大坊勝次さんが珈琲を淹れる時間。竹原芳子さんが、一生続けたい仕事を見つけるまで。Bialystocksの甫木元空さんが、別れたあとに残るものを歌う理由。

仕事や家族、好きな作品の話を通じて、それぞれが生きてきた時間をたどりました。思い出のレコード、文学の一場面を描いた挿絵、家で作れるモカブラウニーも収めています。

好きな人のページから読んでも、気になる写真からめくってもいい。珈琲を飲む時間や、眠る前のひとときに、少しずつ読んでもらいたい一冊です。

紙の雑誌:700円/送料:全国一律200円

電子書籍:550円(税込)

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OLDNEWS Vol.01 【電子書籍】
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内容

Vol.01をつくるにあたり、僕は取材した方々に「人は、なぜ生きるのでしょうか」と尋ねました。

珈琲を淹れる手元について話す人がいました。五十歳を過ぎてから見つけた仕事について話す人がいました。亡くなった父、厳しかった恩師、ちぎれた花びら、家族が待っている家について話す人がいました。

人は、自分が生きた場面を差し出すことで、人生について語れるのかもしれません。ここからは、実際の言葉と誌面をひらきながら、収録内容をご紹介します。

谷川俊太郎

巻頭詩「無意味の豊かさ」

創刊にあたり、谷川俊太郎さんに「生きる意味を考える詩を書いていただけませんか」とお願いしました。すると、一編の詩が届きました。

存在は人間が創造した言語が表現する「意味」よりも
はるかに古い起源を持ち永遠に近いいのちを保っている

— 谷川俊太郎「無意味の豊かさ」、『OLDNEWS Vol.01』巻頭詩

詩は、スヌーピーと子ども、父の場面から始まります。そこから、人が使う言葉と、その言葉だけでは捉えきれない存在へと進んでいく。

「なぜ生きるのか」と尋ねながら、僕らはその問いを口にするより前から、何かを味わい、喜び、悲しんでいる。そのことに目を向けさせてくれる詩でした。

巻頭には全文を収録しています。この詩を読んでから、珈琲や音楽、家族のページへ進むと、何でもない日々の話にも、もう少し耳を澄ませたくなります。

大坊勝次

南青山で三十八年間、「大坊珈琲店」を営んだ大坊勝次さん。

ネルドリップで珈琲を淹れているあいだ、大坊さんは、話しかけられても返事をしなかったといいます。立って珈琲をつくり続ける姿そのものが、一つのサービスだった。

一口飲んだお客さんと、ほんの一瞬だけ目が合う。その一瞬に、言葉を使わない会話が生まれることもあったそうです。

「人が生きる意味」を尋ねた僕に、大坊さんは舞踏や無言劇の話をしたあと、こう語りました。

いつもはっきりした答えなんてありませんよ。ただ、何かのときに「じゃあ、あなたはどうなの?」って言われたような気がしたときに、自分はどうなんだろう?と考えることが大事だと思います。

— 大坊勝次さん、『OLDNEWS Vol.01』p.16

本誌では、家族が食べていくために店を始めた話や、試作してもメニューに加えなかったポトフの話も伺いました。最後には、奥さまと毎日コーヒーを飲む時間の話も。

一杯をつくり続けた人が、仕事や暮らしをどう語るのか。珈琲が滴る手元の写真とともに、その時間を残したインタビューです。

OLDNEWS Vol.01の大坊勝次さんの誌面サンプル。インタビューとネルドリップの手元の写真。
大坊勝次さんのインタビュー(pp.11–18)より。撮影:宮本信義。

竹原芳子

五十歳でNSCに入り、五十五歳で芝居の勉強を始め、五十七歳で映像デビューした竹原芳子さん。

取材では、一生続けたいと思える仕事に出会うまでのことと、自分の目で世界を見るようになるまでの時間を伺いました。

スイスの山をひとりで歩いたこと。ハート形の雲を撮ろうとしたら、形が変わってしまったこと。子どもの真似をして足をひねったこと。旅の話には、幸せも、不安も、思わず笑ってしまう出来事も出てきます。

幸せを感じるために生きているんじゃないですかね。幸せを見つけるために生きているというか。

— 竹原芳子さん、『OLDNEWS Vol.01』p.26

ある日見つけたのは、虫に食べられ、花びらが欠けたまま咲くニチニチソウでした。竹原さんには、その花が誇らしげに見えたそうです。

自分の咲かせた花に自信を持って生きたい。そんな言葉が生まれた場面まで、着物姿の表情と一緒に読んでいただけます。

OLDNEWS Vol.01の竹原芳子さんの誌面サンプル。ピンクの誌面にインタビューと着物姿の写真。
竹原芳子さんのインタビュー(pp.19–26)より。撮影:宮本信義。

甫木元空

Bialystocks/映画監督

Bialystocksの甫木元空さんの歌声をもう少し聴いていたくて、僕は帰り道を遠回りしたことがあります。

音楽家であり、映画監督でもある甫木元さんが見つめていたのは、出来事が起きた瞬間と、そのあとを生きる時間でした。

別れた瞬間の涙。そのあとに残る光。事件から何十年もたったあと、人がどんな時間を過ごしているのか。そうした関心は、歌や映画のつくり方にもつながっています。

聴いた後に頭にこびりつくというか残るような、誰もが―子どもも含めて―スッと口ずさめるような歌が個人的にはいい歌だなと思っています。

— 甫木元空さん、『OLDNEWS Vol.01』p.34

『光のあと』の曲名に込めた、「光の痕跡」と「何かあった後」という二つの意味。父が残したホームビデオを編集した卒業制作。音楽のなかで、言葉の意味が遅れて届くことについても伺いました。

知っている曲を聴いてから、このインタビューを読む。すると、歌詞や声のなかに、もう一度確かめたくなるものが見つかるかもしれません。

OLDNEWS Vol.01の甫木元空さんの誌面サンプル。モノクロの人物写真と黒地のインタビュー。
甫木元空さんのインタビュー(pp.27–34)より。

尾崎瑛一郎

サッカー選手

尾崎瑛一郎さんは、僕と同じ町で育った先輩です。プロサッカー選手としてピッチに立つ姿は、地元の僕らにとって、まぎれもなくヒーローでした。

取材では、高校時代に亡くした父のこと、恩師のこと、後になって知った家族の思いについて伺いました。サッカークラブと地域が、どのように支え合えるのかという話もしています。

そして、子どもたちに何を手渡せるのか。

子供たちに俺が伝えたいのは、いってみたら「サッカーじゃなくてもいいんだ」ってこと。

— 尾崎瑛一郎さん、『OLDNEWS Vol.01』p.40

好きなことに、本気で向き合う時間。その経験が、ピッチの外でも残っていくことを、瑛一郎さんは話してくれました。

取材の翌日には、子どもたちとのサッカー教室にも伺いました。その姿から、僕が昔、瑛一郎さんにトラップを教わった日を思い出します。インタビューと、そのあとの場面をあわせて収めています。

OLDNEWS Vol.01の尾崎瑛一郎さんの誌面サンプル。ピッチでプレーする写真とインタビュー。
尾崎瑛一郎さんのインタビュー(pp.35–42)より。写真:©2019 FUKUIUNITED。

吉満明子

センジュ出版

センジュ出版の吉満明子さんには、「生きる」をテーマに六冊の本を選んでいただきました。

『モモ』『水中の哲学者たち』『おもちゃ絵芳藤』『五感の哲学』『コジコジ』『しずけさとユーモアを』。

吉満さんは、それぞれの本から「生きる」を別の言葉へひらいていきます。

待つこと。対話すること。小さなこと。感じること。笑うこと。そして、死ぬこと。

私は今日も、著者のことばを待っている。あなたのことばも、そして自分自身のことばも。

— 吉満明子さん、『OLDNEWS Vol.01』p.46

六冊を選んだ理由には、著者の言葉が熟すまで待つ編集者の時間や、著者を「声」で選び続ける本づくりの迷いも書かれています。

選書と、ご自身の言葉で書いていただいた文章を掲載しました。

次に読みたい一冊を探しながら、誰かの言葉に向き合う姿勢にも出会えるページです。

OLDNEWS Vol.01の選書ページ。吉満明子さんが選んだ生きるをテーマにした六冊を紹介。
吉満明子さんが選んだ「生きる」六冊(pp.44–45)

小川幸一

ご家族を思い浮かべながら、花を活けてもらいました。

二十二歳で、大阪の生花仲卸業「サンフラワーアート」を創業した小川幸一さん。花の仕事を始めたころのこと、新人だった自分を信じてくれた支配人のこと、家族について伺いました。

待っている人がいる、待ってくれている人がいる、話せる人がいる、それだけで毎日のさりげない、他愛もないことが大きな価値にかわる。

— 小川幸一さん、『OLDNEWS Vol.01』p.55

肉体的に厳しい仕事を続けるなかで、家族と過ごす休日がどんな時間だったのか。花の話を聞いていると、贈る人と受け取る人、その向こうにある暮らしも見えてきます。

誌面には、娘をイメージしたアレンジメントと、家族の写真を載せました。娘をアガパンサスに例えた理由や、ハワイで見た花の記憶についても語っていただいています。

特集

珈琲が滴る手元、竹原さんの笑顔、ライブの光、花と古い家族写真。その人の言葉を、表情や風景と一緒に残しました。

人の話を読んだあとには、文学や音楽、おやつのページも続きます。

文学

「Literature」では、『ライ麦畑でつかまえて』『雨の中の猫』『八月の光』『ティファニーで朝食を』の一場面を、本文の抜粋と白黒の挿絵で紹介しています。

読んだことのある小説なら、覚えていた景色と見比べてもいい。初めての作品なら、短い一場面から読み始めてもいい。言葉と絵を行き来するページです。

OLDNEWS Vol.01の文学ページ。ライ麦畑でつかまえての本文抜粋と白黒の挿絵。
「Literature」より『ライ麦畑でつかまえて』(pp.58–59)。イラスト:Shunichi Yamamoto(Shuy)。

音楽とおやつ

ジャズ奏者・白井淳夫さんには、思い出のレコードについて伺いました。取り上げるのは、アート・ペッパーの『Art Pepper Meets the Rhythm Section』。一枚のレコードから、音楽を仕事にしてきた時間をたどります。

OLDNEWS Vol.01の音楽ページ。白井淳夫さんの文章とアート・ペッパーのレコード。
白井淳夫さんの「MY Record, MY Life」(pp.68–69)。

「はらぺこタイムス」には、OYATSUYA SUNのモカブラウニーを収録しました。材料とつくり方を載せたレシピページです。珈琲を淹れ、ブラウニーを焼いて、その待ち時間に雑誌をめくる。そんな付き合い方もできる一冊です。

仕事と暮らし

医師・田畑正久さんの講演ダイジェスト「コロナ騒動から学ぶ仏教」、地域の仕事を紹介する「にっぽんのしごと」、短編『雨』、映画『(500)日のサマー』のページもあります。

夫婦の寝る前の時間、友人と交わす「またな」、父が話してくれた家族のこと。身近な人と過ごした場面も、写真と言葉で収めました。

最初から順番に読んでも、好きなページを何度もひらいても。そのときの気分に合わせて、手元で付き合ってもらえたらうれしいです。

雑誌について

『OLDNEWS』は、クラウドファンディングをきっかけに始まった、小さな独立系メディアです。

モノや作品、人、暮らしを入口に、その背景にある時間や価値観を編集して伝えています。

Vol.01では、「生きる」をテーマに仕事や家族の話を伺い、本も選んでいただきました。

僕にとって「永遠に生きる」とは、肉体がなくなっても、誰かに思い出してもらえることです。

あの人が話していたこと。好きだった音楽。家族と過ごした、何でもない一日。そうした時間を、あとからもう一度ひらける一冊にしたいと思いました。

「なぜ、いまさら紙の雑誌なのですか」と聞かれたとき、僕は「バッテリーが必要ないから」と答えています。本棚に残り、何年かあとにもう一度ひらく。そのときには、同じ言葉を少し違う気持ちで読めるかもしれません。

この雑誌を読んで、身近な誰かのことを思い出したり、その人にも話を聞いてみたくなったりしたら、うれしいです。

購入について

『OLDNEWS Vol.01』は、紙の雑誌と電子書籍の二つの形でご用意しています。読みたい形を選んで、手に取っていただけたらうれしいです。

紙の雑誌

本棚に置いて、ふと思い出したときにもう一度ひらく。写真や挿絵も含めて、ページをめくりながら読んでいただけます。

価格:700円

送料:全国一律200円

電子書籍

誌面を画面で読める電子書籍版もあります。楽天Koboで購入できます。

価格:550円(税込)

電子書籍版は、文字サイズを変更できない誌面形式です。

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読んだあとに

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雑誌を読みながら思い出した人や出来事があれば、その話もぜひ聞かせてください。

あなたの「生きる」を聞かせてください

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